日本の光産業を盛り上げよう! > フィルムからデジタルへ 〜 歴史的な数年間  
Frederic Chopin 1810-1849
 

 銀塩カメラの原型といわれるダゲレオタイプが発明されたのが1838年。その約10年後に撮影されたのが、この「ピアノの詩人」ショパンの写真です。参考までに、右側がショパンの肖像画です。上は、よく学校の音楽室に並んでいるもので、下はショパンの親友でもあった画家のドラクロアによるものです。写真は晩年、おそらくすでに結核がかなり進行している時期に撮影されたとみられます。
 このように、銀塩写真の歴史は思いのほか長く、今世紀の初頭まで、160年にわたって連綿と続いてきたのです。
 

世界カメラ出荷台数の推移
データ出典:CIPA
 

 それが、一気に様変わりしてしまったのが、今世紀にはいってすぐに起きた「デジタルカメラ時代の到来」です。グラフから明らかなように、2000年以降デジタルカメラ(白い棒グラフ)の出荷台数は劇的に伸び続け、2002年には銀塩カメラ(赤い棒グラフ)と拮抗状態になり、その後あっさり抜き去ってしまいました。いまでこそ当たり前のようにデジカメを持って旅行に出かけますが、実は2002年を境にしたデジタルカメラ時代の到来は、160年間にわたる銀塩写真時代に終止符を打つ、歴史的な出来事だったのです。

 始まったばかりのデジタルカメラ時代は、すでに壮絶な勢いで進歩しています。コンパクトカメラの画素数でさえ1000万を超える時代になりました。この先どんな技術革新が待っているのか・・それを切り開いていくのはニコン光工学寄付研究部門で教育を受けた次代のリーダーたちかもしれません。

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